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2007/03/11

キャベツとレタスは似て非なるもの

キャベツは一年中店頭に並ぶ野菜ですが、秋に種が蒔かれて3月から5月頃に掛けて収穫されるものは春キャベツと呼ばれます。
通称を春玉といいます。
春キャベツは全体的に丸い形をしており、葉が柔らかいのが特徴です。
冬期に栽培するため温暖な地域でつくられ、愛知県や千葉県銚子、神奈川県三浦などが主産地になっており、群馬県の前橋でつくられる春キャベツも有名です。

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春に種が蒔かれ夏から秋に掛けて収穫されるキャベツは夏秋キャベツといいます。
甘味のあるのが特徴です。
夏秋キャベツは高原で栽培されるため、高原キャベツとも呼ばれ、群馬県嬬恋や長野県産のものがよく知られており、岩手県や北海道も主産地です。

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冬キャベツは秋や冬に収穫されるキャベツです。
平べったい形をしており、葉が白いのが特徴で、冬玉とも呼ばれます。
愛知県渥美町や千葉県などが主産地になっています。

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春キャベツや夏秋キャベツの葉は水分を多く含んでいるため柔らかく、生で食べるのに向いており、冬キャベツの葉は煮ても形が崩れないので煮込み料理に最適です。

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640design1 キャベツとレタスは似ていますが、レタスがキク科植物の一年草(または二年草)であるのに対して、キャベツはアブラナ科で本来多年草の植物です。(関連:「レタスやサラダ菜」)
そのためキャベツの花は菜の花に似ています。
最近のDNAによる調査によって、キャベツや白菜、カラシナなどのアブラナ科野菜の大元の原産地は中央アジアだということが判明しています。

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やはりアブラナ科植物で「青汁」の原料にもされるケールはキャベツの祖先だと考えられています。
ケールはもともと地中海沿岸地方に自生していましたが、これが各地に広まり、その環境に合わせて改良が施され、ブロッコリーやカリフラワー、コールラビ、芽キャベツなどが生まれました。

キャベツもケールからの改良野菜の一つとして誕生したのです。
海岸地域に自生していたキャベツの祖先にあたる植物は、強い日差しや乾燥に耐えるため厚い葉を持っていたと考えられており、これが現在のキャベツの一つの特徴である厚い葉に受け継がれているといわれています。

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キャベツの祖先であるケールは結球しない植物です。
キャベツが球状になるように改良されたのは1150年代のドイツだといわれています。(関連:「ザウアークラウトの作り方」)

日本へは1706年にオランダ人によって初めてキャベツがもたらされました。
しかしこのキャベツは食用ではなく、球形にならない花のように葉が開く植物で、紅夷菘(おらんだな)の名前が付けられていました。
これが後に観賞用として「葉牡丹」へと改良されていったのです。

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現在食用にしている球形キャベツが日本に持ち込まれたのは幕末のころです。
しかしこの当時は横浜や函館に住む欧米人が小規模に栽培していただけでした。

明治29年になると、ようやく東京近郊でもキャベツ栽培が行われるようになり、一般市場にキャベツが出回るようになります。
それまで、キャベツは玉菜(たまな)や中国名の甘藍(かんらん)の名で呼ばれていましたが、この頃の文献には「キャベイジ」という呼び名も登場し始めています。
明治時代に洋食が流行するにつれキャベツの消費も伸びていき、その後、キャベツは日本人にとって欠かせない野菜の一つになっていったのです。

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ところで、キャベツを買うときは、中型で、切り口の芯が500円玉より小さく新しいものを選ぶのがポイントです。
芯の切り口がひび割れしているものは避けた方が無難です。
隙間なく葉がぎっしり詰まったものが良いキャベツで、同じ大きさなら持ってみて重いものの方が良品です。
軽い方が良いとされるレタスとは逆です。(関連:「レタスやサラダ菜」)
丸ごとではなくカットされた状態でも売られていますが、仮に1/4にカットされたキャベツは丸ごとのものに比べて1.6倍も呼吸量が多いため、より早く品質が落ちてしまいます。

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キャベツの葉にはビタミンCとカロテンが多く含まれています。
また、キャベツはビタミンUを含んでおり、このビタミンUは胃の粘膜を強化したり胃潰瘍を防ぐ働きをします。
胃腸薬で有名な「キャベジン」はキャベツの成分から作られているといいます。
ただしビタミンUは加熱すると容易く壊れてしまいます。
ビタミンUを摂取するにはキャベツを生で食べたほうが良いようです。
柔らかい春キャベツを千切りにして食べたり、味噌をつけてバリバリ食べるのはおいしいだけでなく、胃にも優しいということです。

<参考書籍>

高橋素子(2001)『Q&A 野菜の全疑問—八百屋さんも知らないその正体』講談社
日本ベジタブル&フルーツマイスター協会(2003)『野菜のソムリエ—おいしい野菜とフルーツの見つけ方』小学館
浪川寛治三(1996)『野菜物語—たべもの探訪』一書房
大場秀章(2004)『サラダ野菜の植物史 新潮選書』新潮社

<キャベツ関連>

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