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2007/03/04

筍の選び方とゆで方

竹の若芽であるたけのこの旬は4月から5月に掛けてです。
「筍」という字は「旬内に竹の子となり、旬外に竹となる」という意味からきています。
通常たけのこを採るときは、地表から芽が出る寸前か、芽が少し出たところを掘り出します。
芽が出てそのまま10日も放っておくとたけのこは竹になってしまいます。

            ○

99012 たけのこを採るために育てられている竹には孟宗竹(もうそうちく)や淡竹(はちく)、苦竹(まだけ)などがあります。
孟宗竹の皮には毛が生えており、淡竹の皮は赤紫色をしています。
また、孟宗竹は淡竹よりも太いのが特徴です。
苦竹のたけのこは初夏に出回り、苦味が強いもので、そのため苦竹という字が宛てられたようです。

            ○

一番生産量が多いのは孟宗竹のたけのこです。
「モウソウチク」の名は中国の『二十四孝』に出てくる孟宗の話しに由来しています。
たけのこを食べたいという病気の母親のために、孟宗が真冬にたけのこを探したところ、雪中に生えるたけのこを見つけて掘り出し、このたけのこを食べた母親は病を治すことができたという親孝行のお話しです。

            ○

孟宗竹は別名を江南竹といいます。
これは孟宗竹の原産が中国の江南地方であるためです。
温暖地域で育つ竹であるため、日本では岩手県より北の地域では生育しません。

孟宗竹が日本に入ってきたのは1700年代前半の江戸時代の頃です。
中国から琉球を経て薩摩に入り、1800年代前半に江戸の薩摩藩邸に移植されました。

            ○

淡竹や苦竹も平安時代の初期に中国から日本に伝来したといわれていますが、これらの竹は日本に古来から自生していたという説もあるようです。

            ○

Yun_205たけのこは見た目で雄と雌の区別をすることがあります。
形が円錐形状でずんぐりとした感じで、色が白っぽいものは雌筍とよばれ、長い円錐形で色が黒っぽいものは雄筍とよばれます。
雌筍を白子、雄筍を黒子と呼ぶこともあるようです。
一般的に雌筍の方が味は良いとされています。

            ○

ところで、穂先が黄色いたけのこは日に当たった時間が短いことを示してます。
逆に穂先が黒っぽくなったものや濃い緑色をしたものは穂先が地上に突き出た後、時間が経ってから掘り出されたもので、日に当たった時間が長いために筋張ってえぐみが出ている可能性があります。 
全体的に淡い黄色をしているのが良いたけのこで、切り口が白く瑞々しい感じのするものが良品です。
逆に切り口が茶色くなってぬるぬるしたものは古いたけのこです。

            ○

掘ったばかりのたけのこにはアクが少なく刺身にして食べることもできますが、時間が経つとアクが強まるので、店先で売られているものを食べるには、二時間は茹でる必要があります。

たけのこは皮がついたままの状態で茹でますが、穂先は斜めに切り落とし、皮には切れ込みを入れます。
たけのこを皮ごと茹でるのは、皮の内側の温度を一定に上昇させることで繊維質を柔らかくする時間を短縮できるのと、皮の中に含まれる亜硫酸塩の働きで繊維が柔らかくなり筋っぽさが減るためです。
しかし皮付きで茹でるとアクが外に出にくくなるため、穂先を切り落としたり皮に切れ込みを入れて、えぐ味のもととなるホモゲンチジン酸やシュウ酸を茹で汁の中に出し易くするのです。

茹で汁には米糠や米のとぎ汁を入れます。
糠やとぎ汁を入れることで、これらの中に含まれるでんぷん粒子がゆで汁に浮かび、アクを吸着してくれるのです。
糠を使う場合、水1.8リットルに入れる糠の量は一握りが目安になります。
掘り出してから時間が経ってアクが強くなったたけのこを茹でるときは、米糠やとぎ汁の他にタカノツメを入れると良いようです。

            ○

Bamboo店で売られるたけのこの水煮のひだの部分に白い固まりがついていることがあります。
この白いものはたけのこが含むチロシンという物質です。
茹でている間に茹で汁にチロシンが溶け出し、その後固まったものなのです。

チロシンはタンパク質を構成するアミノ酸の一種です。
もちろん無害であり、新陳代謝を促す働きがあります。

たけのこに含まれる栄養は少ないのですが水溶性食物繊維であるセルロースを多く含んでおり、このセルロースがコレステロールの摂取を抑制する働きをしてくれます。

そして、栄養よりも何よりも、日本人にとってたけのこは春の味覚です。
若竹煮や天ぷら、たけのこご飯などを楽しみながら、春の到来を感じることができる食材なのです。

<参考書籍>

高橋素子(2001)『Q&A 野菜の全疑問—八百屋さんも知らないその正体』講談社
浪川寛治三(1996)『野菜物語—たべもの探訪』一書房
吉田よし子(1998)『野菜物語—大地のおいしい贈りもの』TOTO出版
日本ベジタブル&フルーツマイスター協会(2003)『野菜のソムリエ—おいしい野菜とフルーツの見つけ方』小学館
小泉武夫(2005)『小泉武夫 食のワンダーランド』日本経済新聞社

<たけのこ関連>

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