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2006/07/25

トリュフはなぜ珍味か

トリュフが「世界三大珍味」の一つとされるのは、他のキノコとは異なる独特の繁殖の仕方に謎が多く、人工栽培ができないため希少価値が高いということにも因ります。

まだ詳しくは分かっていませんが、トリュフは柏やハシバミなどの木の根を必要とし、樹木に何かを供給して木の根から何かをもらっているようなのです。
そのため、トリュフは人工的に栽培できず自生したものを採取するしかないのが現状です。
しかもトリュフは地中で生育するため採取するには掘り出さなければならず、見つけだすのに手間が掛かります。

          ○

初めてトリュフを食べたのはユダヤ人の祖とされるヤコブだとする話しがあるようですが、これはまったくの嘘で旧約聖書にそのような記述はありません。

古代ギリシャン時代には健康維持にトリュフを食べるのが良いとピタゴラスが著書に書いたり、紀元1世紀に書かれたローマの料理書にもトリュフ料理のレシピが記されているなど古い文献にもトリュフは登場しています。
しかし、これら古代ギリシャやローマで食されたトリュフは現在のものとは異なるテルファスという食用キノコだったのではないかとう説もあります。

中世になるとトリュフは媚薬的な扱いをうける程度で料理の食材としてはあまり使われなくなりました。

トリュフが再び盛んに用いられるようになったのは14世紀になってからのことです。
フランス料理で、潰したトリュフを肉汁に和えて肉料理に掛けたり、トリュフと牛乳やバターを合わせたものを野菜に掛けるなどソースとしての使われ方が発達し、トリュフは食材としての人気を盛り返しました。

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フランスではトリュフ探しに雌豚、犬、青蝿、人間の鼻などが使われています。
面白い方法にはオート麦を使うものがあります。
これはトリュフの違法採取者が使う方法で、トリュフが生育しそうな木の根元にオート麦の種を蒔いておき、数ヶ月後にオート麦が枯れて育っていない場所を掘り起こすというものです。
理由は分かりませんが、トリュフが育つ場所では他の草が生えないためにこのような方法が使えるのです。

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トリュフはフランスだけで生育するわけではなく、世界十数カ国で30種類以上のトリュフが採られています。
フランスで採られるものではペリゴール産黒トリュフが有名で、「黒いダイヤモンド」とよばれています。
イタリアにはウンブリア産の黒トリュフがありますが、それよりも高価で騒がれるのはピエモンテ地方で採れる白トリュフです。
これらのトリュフに比べて安価なものに中国産があり、これは松の木で繁殖するものです。
日本の中国産トリュフの輸入は1994年に始まっています。
2002年に日本に輸入されたトリュフの70%は中国産だったそうです。

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輸入トリュフには冷凍物か冷蔵物かの違いがありますし季節や気候条件によって価格は変わってきますが、あるサイトでは中国産トリュフが1キロ1万円をきる価格で販売されていました。
フランス産トリュフは中国産の20倍近い価格で、イタリアのピエモンテ産白トリュフはフランス産黒トリュフの3倍以上の値がついていました。
「宝石」だとか「ダイヤモンド」などと呼ばれるのも納得の価格です。
(私事ですが昨晩のおかずは舞茸のバター炒め)

<参考書籍>
宇田川悟(1994)『食はフランスに在り—グルメの故郷探訪』 小学館
池上俊一 (2003)『世界の食文化 (15) イタリア』 農山漁村文化協会
末永徹 (2005)『食材はどこから』料理王国社

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