豆が頼りの細菌と穀物
豆の仲間を数えれば1万3000種になるとも1万8000種になるともいわれています。
世界中の畑や高い山の中ですら豆は栽培されてきました。
豆が至る所で生育し種類を増やしてこられたのは、通常の植物にとっては栄養の足りない痩せた土地であってもマメ科植物は生き抜くことができたからです。
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植物が生育するには窒素が欠かせません。
その窒素も植物が取り込める形の窒素化合物になっている必要があります。
空気中の窒素ガスを窒素化合物に変える細菌がいて、この細菌を「根粒バクテリア」といいます。
豆科植物はその根の細胞の中で根粒バクテリアを育てることができるのです。
根粒バクテリアは豆科植物に窒素を供給し、豆科植物はバクテリアに光合成で得た栄養を与えます。
植物に必要不可欠な窒素を供給する菌と共生することで、豆は貧土の中でも生育することができるのです。
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そして、この豆科植物の働きを人間は昔から体験的に知り農耕に利用してきました。
豆と穀物などを輪作したり、日本でいえば稲田の空いた土地で豆を栽培してきたのがそれです。
豆を栽培した土壌で穀物を育てたり豆と穀物を一緒に栽培すると、マメが使い残した根粒バクテリア産の窒素肥料の余りを穀類が吸収し穀物 の収穫量が増えるのです。
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しかも、豆と穀類を一緒に食べることは栄養学的にも理にかなったことです。
人間が生きていくには20種類のアミノ酸が必要です。
その内の9種類のアミノ酸は人間の体内では作ることができず食事でしか摂れません。
それらのアミノ酸を特に「必須アミノ酸」とよびます。
穀類だけを食べているとこの必須アミノ酸の中のリジンが不足してしまいます。
豆類はリジンを含んでいますが、穀類に含まれる必須アミノ酸のメチオニンやシスティンなどを十分に含有していません。
穀類の10〜20%のマメを食べるとバランスよく必須アミノ酸が摂取できるといわれており、そう見ると納豆掛けご飯などは理想的な食べものということになります。
昔の人達は根粒バクテリアや栄養学などを知らなくても豆類と穀類を同じ土地で栽培して一緒に食べていたわけです。
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豆と稲を一緒に育てると稲の収穫が増えることに日本人がいつ気づいたのかは分かっていません。
大規模な稲作が行われるようになった弥生時代に豆類の栽培も既に行われていたのはほぼ間違いないといわれていますので、豆の栽培が米の収穫量を増やすことを当時の日本人も知っていたかもしれません。
<参考書籍>
増田芳雄 (1990)『モヤシはどこまで育つのか—新植物学入門』 中央公論社
吉田よし子(2000)『マメな豆の話—世界の豆食文化をたずねて』平凡社
高橋素子(2001)『Q&A 野菜の全疑問—八百屋さんも知らないその正体』講談社
<関連商品>
豆腐・豆乳・大豆のほんとにおいしい182品―体にいい!きれいになれる!

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