とうもろこしと神様
日本列島各地で次々と梅雨が明けてきましたね。
スーパーや八百屋では旬のとうもろこしが店頭の目立つところに置かれるようになりました。
やっと夏が来たなという感じがします。
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とうもろこし栽培は紀元前6000〜5000年頃にメキシコで始まったと考えられています。
メキシコ人の祖先が栽培に使った原種の植物が何なのかについては定かになっていません。
南米に自生していた植物ではないかとか、メキシコ高原に生えるテオシントという植物ではないかなど色々な説は出されています。
紀元前2000年頃にはペルーでも栽培が始まり、その後とうもろこし栽培は北米を含むアメリカ大陸で広がりました。
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古代からとうもろこし栽培を行っていたアメリカ大陸のどの地域でもとうもろこしは「聖なる植物」とみなされ、神への供物として大切に扱われました。
とうもろこしの植物学的な起源は定かではありませんが、その始まりについての伝説は至る所に残されています。
その一つの北アメリカの先住民アルゴンキン族の神話です。
あるアルゴンキン族の少年のところに頭に羽飾りをつけた若者が現れ、少年と毎日レスリングをするようになります。
何日かレスリングをした後、その羽飾りの若者は自分を殺して土に埋めるよう少年に命じ、少年は若者の指図通りにしました。
しばらく経ってから少年が羽飾りの若者を埋めた場所を見に行くと、その場所からは羽飾りのような毛を付けた植物が生えていました。
これがとうもろこしだったのです。
狩猟で生計を立てていた少年の父は年老いて狩りに出られなくなることを憂いていましたが、とうもろこしのお陰で狩りに行かなくても生活ができるようになり親子で喜んだというお話しです。
余談になりますが、このように神や祖先の体の一部を土に埋め、埋めたところから主食となるような大事な穀物などが生えたという伝説はなぜか太平洋文化圏を中心に世界中に残されています。
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1493年にアメリカ大陸に到達したコロンブスによって、それまではアメリカ大陸だけで栽培されていたとうもろこしがヨーロッパにも伝えられます。
イタリア人はとうもろこしがトルコから来た穀物だと考え「トルコの穀物」という名で呼びましたが、とうもろこしの原産地をアフリカだと考えたヨーロッパの他の地域では「ギニア・コーン」と呼んだりもしました。
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16世紀にはスペインのカスティーリャ、アンダルシア、カタローニャで、とうもろこしは栽培されました。
1530年代には北イタリアのヴェネトなどでも栽培が始まります。
ヨーロッパで栽培が始まった当初はとうもろこしに対する偏見がありましたが、17世紀になるとそれも徐々になくなり、主食とする地方も出始めました。
北イタリアのとうもろこしのポレンタはこの地域の伝統料理になっています。
<参考書籍>
J・キャンベル, B・モイヤーズ(1994)『神話の力』早川書房
シルヴィア・ジョンソン(1999)『世界を変えた野菜読本—トマト、ジャガイモ、トウモロコシ、トウガラシ』晶文社
増田芳雄 (1990)『モヤシはどこまで育つのか—新植物学入門』 中央公論社
池上俊一 (2003)『世界の食文化 (15) イタリア』 農山漁村文化協会
ダナ・R. ガバッチア(2003)『アメリカ食文化—味覚の境界線を越えて 』青土社
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