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2006/07/18

きゅうりの白い粉

きゅうりのおいしい時期は本来7月から8月です。
イボが張ってトゲのようになっているものが新鮮なきゅうりです。
枝から切った切り口付近に白いトゲが付いているものは特に新しいものです。

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きゅうりの属名は「cucumis」ですが、これはラテン語に由来しています。
そしてきゅうりを意味したラテン語の「cucumis」はメロンをさす言葉でもありました。
この「cucumis」という言葉を根拠に、一般的古代ローマ人はきゅうりが熟すとメロンになると信じていたのではないかと考えられています。

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もちろんきゅうりをとらずにおいてもメロンにはなりませんが、きゅうりはメロンの仲間ではあります。
きゅうりに形が似ているズッキーニは植物分類学上ではカボチャの一種であり、メロンはきゅうりの一種に分類されるのです。

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以前は、夏に収穫されるきゅうりは皮が薄くパリッとした歯ごたえがあるのに対して、春きゅうりは皮が硬く果肉も歯切れ悪いのが普通でした。
しかし、日本では春に夏きゅうりを食べたいという消費者の要望が強かったため、夏きゅうりをカボチャに接ぐという方法によって春キュウリの品種改良が行われ、これによって春でも夏きゅうりが収穫できるようになり、ついには従来の春きゅうりは殆ど市場から消えることになりました。

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また、きゅうりをカボチャに接ぐ方法はきゅうりの味を改良するだけでなく、外見に対する消費者の要望に応える栽培方法でもあります。

昔のきゅうりには白い粉がついているものがありました。
これは水分の蒸発を防いだり水をはじくためにきゅうり自体が分泌するもので「ブルーム」とよばれる粉です。
スモモやブルーベリーにもできます。
このブルームの量できゅうりの鮮度が見極められていた時代もあったくらいで、もちろんブルームに毒性はないのですが、これを農薬がついていると消費者が勘違いして嫌ったため、ブルームがついたきゅうりが売れなくなったことがありました。

そこで「ブルームレス」とよばれるブルームの出ないきゅうりが開発され、その栽培法がきゅうりをカボチャに接ぎ木するやり方でした。
また、カボチャに接いだきゅうりの方が病気や低温環境に強いきゅうりができることも分かっています。
しかし一方で、ブルームが出ているきゅうりの方がブルームレスのきゅうりより歯切れがよくておいしいという意見もあるようです。

<参考書籍>
日本ベジタブル&フルーツマイスター協会(2003)『野菜のソムリエ—おいしい野菜とフルーツの見つけ方 』小学館
大場秀章(2004)『サラダ野菜の植物史 新潮選書』新潮社
高橋素子(2001)『Q&A 野菜の全疑問—八百屋さんも知らないその正体』講談社

<関連商品>

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